研究概要 |
平成19年度は前年度までに実施された研究成果を総合して,複素生産空間の概念を実現するシステム実装を中心に研究開発を実施した.まず実装の主要部となるサイバーフィールド(時空間モデリングシステム)に関して,計画当初は3.5次元での実装(3次元空間情報+時間区間)を予定していたが,時空間での完全な4次元モデリングに関する手法を新たに,開発・実装することにより,より総合的で高度なサイバーフィールドを実現することが可能となった.この実装に関しては16GBの主記憶を実装した64ビットOSのコンピュータを使用することで4次元の大規模データを処理できる. 今回実装した4次元のモデリングシステムは,時間変化する3次元世界の情報を3次元ボクセルの時系列データとして一端,格納し,そこから新たに開発した4次元の等値面生成アルゴリズムによって,4次元メッシュモデルを逐次生成可能とした.このモデルを指定の超平面(たとえば,指定時刻)で切断することで,任意の時刻における3次元モデルの情報を復元できる. また,このサイバーフィールドに格納する情報を実世界(例えば設計者)から取得するための仕組みであるユニバーサル・ポインティングシステムの拡張,生産加工への適用としてのDigital Machining Information Modelの構築,3次元スキャニングシステムによる実環境計測とディジタルモデルとの照合手法の開発などの研究を進め,複合生産空間の機能強化を進めた.
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