研究概要 |
平成19年度は,分担して以下の研究を実施した. 乾:ポリゴンや点群などで離散的に表現された形状モデルに対して,ミンコウスキ変換を施すことで加工困難な形状を抽出する技術を開発した.さらにこの技術に基づいて金型設計を支援する実験的なシステムを試作し,自動車メーカで実用性の評価を行った.また同種の技術を,金型の傾斜加工の工程設計支援で利用することを考え,具体的には傾斜工具では加工困難となる形状の抽出と,抽出された形状を加工可能な部分に自動分解するアルゴリズムの開発を行った.GPUのような並列処理プロセッサの普及が予想されることから,多面体間の干渉検出を並列に行う新アルゴリズムの設計を行った. 森重:5軸切削加工を例に,2次元コンフィギュレーション空間に,さらに時間軸を加えた,3次元コンフィギュレーション空間を考え,その中で経路探索をすることで,5軸加工での工具姿勢変化を最適化する技術の開発を行った. 金子:やはり5軸加工を例に,コンフィギュレーション空間の計算を,GPUを用いて高速・高精度に行う新技術を開発し,これに基づいて滑らかな工具姿勢変化を実現する工具経路生成アルゴリズムを実現した. これらの研究では,アルゴリズムやソフトウェアの開発が主な作業となる.いずれの研究者もGPUを利用した高速な幾何計算を活用していることから,研究を効率的に進めるには,最新のGPUを搭載したコンピュータの利用が望ましい.これらの理由から,今年度は予算を主に計算機環境の更新に活用した.
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