研究概要 |
前年度は,環境配慮生産システムに関連する研究開発を広く展望し,将来の環境配慮生産システムの構想と基礎的なシステム構築手法の検討を行った。この成果に基づき,本年度は,生産システム構築手法,生産システム要素技術のモデル化手法,および生産システムのライフサイクル設計手法などを整理,体系化した。特に,機械加工システムを対象として,生産システム要素のモデリング技術を具体化し,これらを発展させて,生産システムの構成およびモデリングについて理論的な基礎研究を行った。一方,実用的な計算機支援の技術システムを展望し,PDM(Product Data Management)など,利用可能なソフトウェアツールを分析し,これらの知見に基づき,システム構築手法を統合化できるソフトウェアプラットフォームの枠組みを検討した。具体的な研究項目は,以下のようである。 (1)環境配慮生産システムの構成とモデリング 資源生産性評価を基礎として生産システムの基本構成を定め,システム要素や管理機能のモデリングを検討した。品種や生産数量,対応する資源消費などの生産システムを特徴つけるパラメータを明示的に含むようなモデリングを考え,特に機械加エシステムを対象としてモデルを具体的に構築した。加エ実験を行い,現状の加工設備の環境負荷データを把握し,モデルの妥当性を検証した。 (2)環境配慮生産システム構築法の整理,体系化 様々なライフサイクルオプションを網羅的に考え,ライフサイクルシミュレーションや資源生産性評価に基づく最適化などによりシステム構成を生成する手法を基礎として,既存の手法の整理,体系化を進めた。 (3)システム構築支援の要素ソフトウェアの試作 上述のシステム構築の基礎となるソフトウェアとして,機械加工設備のモデリングおよび評価のソフトウェアを試作し,実際の加工実験を通じて,環境負荷改善などへの有効性について検討した。
|