研究課題
本研究は、平成24年度に打上げを目指す次世代の硬X線望遠鏡に使用する非球面レプリカ反射鏡を製作する技術を開発すると共に、反射鏡の光学特性を評価することを目的とし、以下の研究を実施した。超精密加工装置の直進性の測定と非球面加工品の機上形状測定を行なうため、各種センサーと平面原器を使用した測定法の比較検討を行い、±6nmの精度での測定法を確立した。この値は平面原器の精度を高めることにより小さくできる。また、加工室の温度制御の状態を測定した結果、±0.1K以内に温度制御されていることが確認できた。直径300m、ミラー長400mと200mmの2種類の無電解ニッケル製非球面(放物面と双曲面)金型を平成16年度文部科学省特別推進研究「硬X線撮像観測による非熱的宇宙の研究」で開発した超精密非球面加工装置(加工可能な最大口径:600m)を用いて超精密ダイヤモンド切削すると共に、表面を手研磨してミラー長200mmの放物面金型において表面粗さ0.23nm rmsを得ることができた。その予備実験として、平面試料と円筒試料を使用して最適研磨条件の導出を行なうと共に、重量100kgの大型試料の表面粗さを測定する方法としてレプリカ法の改良を行い実用化した。また、無電解ニッケルの超精密ダイヤモンド切削における表面粗さと送りとの関係は、平面試料・円筒試料・放物面試料・双曲面試料において殆ど変わらないことを見出した。非球面金型の形状に関しては、仕様である形状精度100nmを切るものは出来ていないが、その目標に向かって、来年度以降の研究を実施する。前記の超精密非球面加工装置に付加する小型の超精密非球面研磨装置(研磨ヘッド)を東芝機械と共同で開発した。この研磨ヘッドを使用した非球面自動研磨は来年度以降に実施する。
すべて 2006
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Precision Engineering 30,2
ページ: 223-230
Applied Optics 45,19
ページ: 4609-4616