研究課題/領域番号 |
18360073
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
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研究分担者 |
曹 国輝 中部大学, 先進計測研究センター, 研究員 (80424927)
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キーワード | X線天文学 / 精密研磨 / 精密部品加工 / 非球面金型 / 人工衛星 / 光学特性 / レプリカ反射鏡 / ナノテクノロジー |
研究概要 |
本研究は、平成25年度に打上げを目指す次世代の硬X線望遠鏡(NeXT衛星)に使用する非球面レプリカ反射鏡を製作する基盤技術を開発すると共に、反射鏡の光学特性を評価することを目的とする。技術開発上の問題点は、大型非球面の高精度加工と高精度形状計測、大型非球面の表面粗さの向上、Pt/C多層膜の成膜と微細構造解析、無電解ニッケル製非球面金型からのPt/C多層膜の離型であり、本年度は以下の研究成果が得られた。 最終的には、直径500mm、ミラー長400mmの形状精度±100nm以内の放物面と双曲面とから成る非球面レプリカ反射鏡を開発するのが目的であるが、本年度は直径14mmの放物面・双曲面からなる無電解ニッケル製非球面金型を±50nmの形状精度で製作することに成功した。大型非球面の表面粗さの向上は手動研磨法で0.3nm rms以下の面が得られることを実証したが、今後はこれを自動化する必要がある。 直径10mm程度の放物面と双曲面から成る無電解ニッケル製超精密非球面金型にPt/C多層膜を成膜し、鋼製の内面基板を接着し、そのPt/C多層膜を非球面金型から離型し、世界で始めて無電解ニッケル製非球面金型からの全周Pt/C多層膜内面レプリカミラーの製作に成功した。また、直径300mm、ミラー長210mmの無電解ニッケル製非球面金型からの硬X線望遠鏡用Pt/C多層膜スーパーミラー(1/3周円分、ミラー長:130mm)の製作に成功した。これも世界最初である。 硬X線望遠鏡では広い波長領域のX線を反射させるためPtとCの膜厚を厚さ方向に変化させたX線多層膜スーパーミラーを採用するが、その膜厚分布を簡便に測定する方法の確立を目指し、走査型プローブ顕微鏡法を開発し、その方法の可能性を検討した。この方法の妥当性、精度等については今後の検証が必要である。
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