研究課題/領域番号 |
18360073
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
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研究分担者 |
曹 国輝 中部大学, 先進計測研究センター, 研究員 (80424927)
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キーワード | X線天文学 / 精密研磨 / 精密部品加工 / 非球面金型 / 人工衛星 / 光学特性 / レプリカ反射鏡 / ナノテクノロジー |
研究概要 |
平成25年度の打上げを目標にしている次世代のX線天文衛星(仮称NeXT)は平成20年10月に正式にASTRO-Hプロジェクトとして公表され、焦点距離12mのX硬線望遠鏡(HXT)を搭載することになった。本研究はこれに使用する非球面レプリカ反射鏡を製作する技術を開発すると共に、反射鏡の光学特性を評価することを主目的とする。 長さ400mmの範囲で真直度±6.8nm以下の真直度原器を零熱膨張係数のガラスセラミックスで作成すると共に、検定を行い、それを使用して超精密非球面加工装置の摺動特性を補正した結果、y軸の真直度±30nm、z軸の真直度±24nmが得られた。この加工装置と超精密ダイヤモンド単結晶工具を使用して直径300mm、長さ400mmのアルミニウム合金製円筒を加工した結果、全面で母線方向の真直度±54nmが得られ、公称径300mmで長さ20mmの回転放物面と長さ200mmの回転双曲面からなるアルミニウム合金をダイヤモンド切削した結果、全面で母線方向の真直度±92nmが得られた。この表面に無電解ニッケルを成膜し、熱処理後、超精密ダイヤモンド切削と光学研磨を施し、硬X線望遠鏡用無電解ニッケル非球面金型を製作した。その表面粗さは仕様である0.3nm rms以下を満足している。次に、直径300mmでミラー長200mmが放物面、それに接続してミラー長10mmの双曲面である無電解ニッケル製非球面金型を製作し、その上にPt/C多層膜を成膜し、その上にアルミニウム製反射鏡基板を接着し、金型からPt/C多層膜を離型し、硬X線用非球面レプリカ反射鏡の製作に世界で始めて成功した。 その後、2020年打上げの焦点距離60mの国際硬X線天文衛星IXO用直径500mmのアルミニウム合金製超精密非球面金型の鏡面加工に成功した。
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