研究概要 |
気流の空間的構造を定量計測するPIV(Particle Image Velocimetry)を技術開発することを目的とし3年間の研究の実施を通じて多面的な成果を上げた. 大規模な気流計測における主要な問題は, 環境負荷の少ないトレーサを開発すること, ならびに三次元非定常構造を定量捕獲するための光学設計, さらには速度ベクトルデータの高密度化であった. 平成18年度は, トレーサの開発としWatermist法, Soap Bubble法, ならびにTuft Resonance法について検討を行い, さらにPIVに適合したトレーサの注入方法を設計・検定した. これと同時に300m規模の大気流動場を三次元計測する問題点提起実験を実施した. 平成19年度は開発したトレーサ注入法と光学系を実例計測によりデモンストレーション実験した. 計測対象は竜巻のPIV計測, 樹木や鉄塔をモデル化した透過性物体の周囲空間流動のPIV計測である. 平成20年度は大気ダウンバーストを室内モデル実験置換し, カラートモグラフィックPIV技術の実証実験を実施した. これらの開発の結果, 従来まで低密度データの2次元計測に制約されてきた気流構造計測が, 3次元高密度データ取得が可能となるに至った. また応用実験から気流のもつ固有の流動場が新たに発見され, これらについてのダイナミクスを論文等で発表した.
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