研究課題/領域番号 |
18360090
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50112024)
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研究分担者 |
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60314837)
米澤 宏一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (00362640)
川田 裕 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70440930)
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キーワード | インデューサ / 設計 / キャビテーション / 翼端渦キャビテーション / 翼端渦 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
ケーシング形状変更による、インデューサに生じるキャビテーション不安定現象の防止法に関する実験的研究において、キャビテーション不安定現象は翼面キャビテーションでなく翼端渦キャビテーションが隣接翼と干渉し始めるときに生じることが明らかとなった。翼端渦キャビテーションの強さや位置は主として羽根車翼端部分の負荷分布によって決まるので、羽根車を三次元設計することにより翼端渦キャビテーションの発生位置を制御し、不安定現象を防止することを目的として研究を進めている。 本年度は、翼端渦キャビテーションが隣接翼と干渉しない羽根車形状を見出すことを目的として数値シミュレーションを実施した。翼端渦の軸が翼端渦キャビテーションの軸とほぼ一致すると仮定し、非キャビテーション流れに対する数値シミュレーションにより翼端渦の位置を調べた。 翼端渦の発生原因となる翼端隙間の漏れ流れを防ぐために、翼端の負荷が小さくなるよう翼の前縁付近の翼端側の羽根角を小さくした数種の羽根車に対して数値シミュレーションを行った。その結果、入射角が負となる領域が現れ、低圧力下では圧力面にキャビティが発生するという問題等が生じうることが判明した。 次に、羽根角は従来の羽根車のものと同じであるが、翼前縁の翼端を下流側まで伸ばし翼端渦の発生点を下流側に移動させることを目論んだ2種の羽根車に対して数値計算を実施した。その結果、翼端渦が不明瞭な流れになることが判明した。しかし、翼前縁近傍の圧力面側の圧力が低くなり、本羽根車においても圧力面側でキャビティが発生するという問題が生じうることが明らかになった。そこで、圧力面の圧力が低くならないよう、本羽根車の翼前縁近傍の羽根角をわずかに増加させた羽根車に対する数値シミュレーションを現在実施している。 以上の結果を、2007年10月に韓国で開催される国際会議(9-AICFM)で発表する予定である。
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