研究課題/領域番号 |
18360090
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50112024)
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研究分担者 |
川田 裕 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70440930)
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60314837)
米澤 宏一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00362640)
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キーワード | インデューサ / 設計 / キャビテーション / 翼端渦 / 数値シミュレーション / 交互翼キャビテーション / 旋回キャビテーション |
研究概要 |
本年度は、昨年度に設計したキャビテーション不安定現象を防止しうる3種のインデューサを製作し、これに対する実験を実施した。入口羽根角を減少させたインデューサでは、100%流量以上では不安定現象は完全に防止された。出口羽根角を増加させたインデューサでは、設計流量である130%流量では弱いサージのみが観察され、140%流量では不安定現象は発生しなかった。大きな前縁後退角を付けたインデューサでは、80〜115%流量の広い流量範囲で小さなキャビテーション数で生じる弱いサージ以外の不安定現象は発生しなかった。3次元定常キャビテーション流れ解析の結果とともに実験結果を検討した結果、入口羽根角減少型、出口羽根角増加型インデューサでは、それぞれ設計点においては翼端渦キャビテーションが翼問に向かって伸びる、キャビティが翼間に発生することで翼端渦キャビテーションが隣接翼前縁と干渉しないことが、不安定現象が発生しない原因であることがわかった。前縁後退角増加型インデューサでは、多数の逆流渦が発生したことで、翼端渦キャビテーションと隣接翼前縁の定常的な干渉が防止されたことが、不安定現象が発生しない主な原因であると推定された。 3次元キャビテーション流れ解析により、交互翼キャビテーション、旋向キャビテーションの再現に成功した。キャビティによるじょう乱速度成分を分離することにより、キャビティの下流にはキャビティ後縁に向かう流れが存在することを示した。この流れは隣接翼に対する流れの入射角を減少させる効果を持ち、この作用によって交互翼キャビテーション、旋回キャビテーションが発生することを明らかにし、また、極めて低い流量では不安定現象が発生しないという実験結果を説明することができた。
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