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2008 年度 実績報告書

咀嚼・嚥下困難者支援への工学解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 18360092
研究機関首都大学東京

研究代表者

水沼 博  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20117724)

キーワード流体 / 生物・生体工学 / 医療・福祉 / 食品 / シミュレーション工学
研究概要

(1)「嚥下・咀嚼運動のモデリング」、(2)「固形食品の圧縮・破断特性のモデリング」、(3)「食塊の嚥下・咀嚼連成解析」、について研究を実施した。
(1)「嚥下・咀嚼運動のモデリング」CT画像を基にして、口腔から食道及び気道にいたる3D有限要素モデルを作成した。嚥下運動の時間的変化はX線造影検査結果から定義した。石膏歯形模型から作成した口腔詳細モデルに対し、その咀嚼運動をMiocheらの測定結果から定義した。
(2)「固形食品の圧縮・破断特性のモデリング」歯を模擬したプランジャーによる圧縮試験を豆腐、バナナ、チーズ、クッキー、クッキーサンド及び団子の圧縮・破断変形について行った。測定結果に対して線形弾塑性モデルを適用すると共に、破断をシミュレートするため豆腐に対してはALEモデル、その他の食品に対してはTie-breakモデルを適用した。シミュレーション結果は測定結果と比較的良く一致し、食品の咀嚼シミュレーションの可能性を示す意義ある結果が得られた。
(3)「食塊の嚥下・咀嚼連成解析」液状及びゼリー状食塊の嚥下連成解析と固形食品の咀嚼連成解析を行った。液状食品は低粘度になるほど喉頭付近の食塊のばらつきが顕著であり、咽頭部の流速も早くなる。喉頭蓋の応答の遅れによる誤嚥の再現など、現実の症例に対応した連成解析を実現できることができた。ゼリーは硬軟2種類のゼリーに対し連成解析を行った。硬いゼリーの嚥下は、咽頭を通過するときの滑らかさを欠き、喉頭の挙上に伴い一時的にゼリーの動きが停止する。これらの結果はX線造影検査結果と一致し、連成解析の有効性が検証できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] NUMERICAL MODELING AND SIMULATION ON THE SWALLOWING OF JELLY2009

    • 著者名/発表者名
      H. Mizunuma, M. Sonomura, K. Shimokasa, H. Ogoshi, S. Nakamura, N. Tayama
    • 雑誌名

      Journal of Texture Studies 40-3(場載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] トロミ表現の定量化とリンクした飲みやすい吸い飲みのデザイン2008

    • 著者名/発表者名
      下笠賢二, 水沼博
    • 雑誌名

      日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 12-3

      ページ: 319-320

  • [学会発表] Mechanical Modeling of Foods Including Fracture and Simulation of Food Compression2008

    • 著者名/発表者名
      Morimoto, Mizunuma, Sonomura, Kohyama, Ogoshi
    • 学会等名
      Proc. XV Int. Congr. on Rheology, AIP Vol. 1027, 1-3
    • 発表場所
      米国、カリフォルニア
    • 年月日
      2008-08-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.eng.metro-u.ac.jp/fluid/home/index.html

  • [産業財産権] 携帯粘度計2009

    • 発明者名
      水沼博
    • 権利者名
      首都大学東京
    • 産業財産権番号
      特許 第4277305号
    • 取得年月日
      2009-03-19
  • [産業財産権] 流動体分配器2008

    • 発明者名
      水沼, 他4名
    • 権利者名
      首都大学東京
    • 産業財産権番号
      特許 2008-333545
    • 出願年月日
      2008-12-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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