研究課題/領域番号 |
18360095
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 修 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10183930)
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研究分担者 |
中村 祐二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50303657)
伊東 弘行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30372270)
大島 伸行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10217135)
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キーワード | 燃焼 / 予混合火炎 / 火炎振動伝播 / 不安定現象 / レーザー / 赤外吸収 / 火炎曲率 / 乱流燃焼 |
研究概要 |
エチレン空気予混合火炎にCO_2レーザーを照射すると、未燃混合気にレーザーが吸収され、局所的に任意の変形を与えることができる。この手法を用いて、予混合火炎面の火炎曲率と伝播火炎面に現れる不安定現象の相互関係を調べている。昨年度までの研究で、径の小さなレーザーを照射し一定値(5〜6cm^<-1>)を超える曲率を与えると、火炎先端の伝播速度が時間的に変動する不安定現象が現れることを見出した。この要因を明らかにするために、本年度は,従来の管内伝播火炎に加え新たに対抗流平面火炎を用い、これにCO2レーザーを照射することで任意の曲率に維持された定在火炎を形成した。曲率を制御した火炎にレーザー誘起蛍光法を適用することで、火炎先端のOHラジカル濃度の曲率に対する変化を調べた結果、火炎の曲率が大きくなるとLe<1であっても火炎先端付近でのOHラジカル濃度の低下が観察され、燃焼強度が低下する可能性が示された。この結果に対し,理論的な説明として、曲率が極めて大きくなると火炎面を通した化学種の拡散が相対的に大きくなり、これが反応速度を上回る状況(Da<1)となり、Le<1であっても温度および反応速度の低下が生じるものと考えた。この考察をもとに、簡易なモデルに基づく計算を行ったところ、これまで観察された不安的振動現象が説明しうることを示した。すなわち、火炎面が適度な曲率を持つ間は、種々の不安定要因により火炎曲率が増大する方向へ現象が進展するが、曲率が特定値を超えると上述の考察のように本炎先端の伝播が停滞し、これを繰り返すことで振動伝播現象が現れる。
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