研究概要 |
本年度の研究実績を、(a)ネットワークセンシングシステムの構築、(b)ネットワーク分散コントローラの構築、の二項目に大別して説明する。 (a) ネットワークセンシングシステムの構築…本研究では、飛行空間全体をカバーするように高速ビジョンを多数配置し、これらをネットワークで結合する。本年度は、室内を小型ヘリコプタが自由に飛び回る状況を想定し、8台の環境固定カメラから構成されるネットワークセンシングシステムを構築した。また、ネットワークセンシングシステムの柔軟性を向上するために、能動カメラシステムを製作し、動作確認実験を行った。 (b) ネットワーク分散コントローラの構築…多数のカメラから得られる複数の画像を一台の計算機で画像処理を行うことは、実行時間の観点から制御に適さない。そのため、画像処理とフィードバック制御の分散処理システムを設計した。画像処理を行う計算機同士が通信を行うことで、あるカメラ画像上での制御対象の隠れの検知や、あるカメラにおける制御対象の視野外移動の判定にも柔軟に対応できる。また、このネットワーク分散コントローラを、隠れにロバストな視覚フィードバックシステムとして体系的に設計するための理論的枠組みを構築した。 構築したネットワークセンシングシステムとネットワーク分散コントローラを組み合わせることで,複数小型ヘリコプタの飛行を実現した。具体的には、二機の小型ヘリコプタの誘導制御、ならびに三機の小型ヘリコプタの自動離陸・ホバリング・着陸制御を達成している。
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