研究課題/領域番号 |
18360120
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
石田 寛 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80293041)
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研究分担者 |
遠山 茂樹 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (20143381)
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (30235428)
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キーワード | ロボット / バイオセンサ / ガスセンサ / 表面プラズモン共鳴 / 金属ナノ構造体 / ガス源探知 / 乱流拡散 |
研究概要 |
本研究は、バイオ嗅覚センサを搭載し、匂い・ガスを辿って危険物の所在を突き止める犬型セキュリティロボットの開発を目的とする。本年度は、ロボットの嗅覚として用いる表面プラズモン共鳴(SPR)センサの研究を行った。昨年度に開発した金属ナノ周期構造を持つセンサチップを用いることにより、LED光源を用いて容易にSPRを励起することが可能となり、5cm角の小型SPRセンサモジュールを作製することに成功した。また、金属ナノ構造体表面にチオールの自己組織化単分子膜を固定化し、有機物に対するセンサ感度の向上を確認した。一方、アプタマーを固定化したセンサも作製したが、検出対象物質に対して充分な感度が得られなかったため、次年度はセンサ感度の向上を目指す。 犬型ロボットについては、能動型の嗅覚センシングシステムを新たに開発した。ロボットの左右にガスセンサを取付けても、ガス源から離れるにつれてガス濃度勾配が急速に小さくなるため、ガス源の方向判定は困難である。しかし、くんくんと匂いを嗅ぐ犬のように能動的に空気を吸引すると、左右のガスセンサの応答差が拡大することが分かった。ロボットを容易にガス源へ誘導することが可能となったため、ガス源探知ロボットの性能向上が期待される。 また、空港等におけるセキュリティロボットへの応用を想定し、オレブロ大学の協力の下、大規模空間における匂い・ガス源探知の可能性を検討した。屋外や建物の廊下で気流場やガス濃度分布の測定を行った結果、これまで実験を行ってきた密閉室内の場合と同様にガスが気流に運ばれ、プルームが形成されていることを確認した。プルームを風上に向けて辿ればガス源の探知が可能であるとの見通しが得られたが、時間と共に風向きが変化し、プルームが移動する点が問題となる。環境の時間変化を考慮しながらガス源を探索するアルゴリズムを次年度に検討する。
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