研究概要 |
本研究は,ウェアラブル動作センサによる動作意志計測方法を明らかにするため,1)ウェアラブル動作センサの開発,2)ウェアラブル動作センサによる24時間日常動作モニタ実験,3)動作座標系による日常動作の分類と特徴抽出,4)動作意志アルゴリズムの開発下記に示す,の4項目の研究を実施する. 研究初年度に当たる平成18年度には1)ウェアラブル動作センサの開発を実施し,日常生活における動作検証を実施した.開発した装置は,大きさ58.2L×81.5W×25.3H[mm],電池を含まない重量は44.5[g]であり,マイクロプロセッサを内蔵した携帯型の一種のマイクロコンピュータシステムである.今回搭載したセンサは,3軸加速度センサとGPS受信器である.本装置は被検者の腰背部にマジックベルトで装着するとしたため,加速度センサによって,被検者の姿勢と体動を知ることが出来る.また,GPS受信器によって被検者の行動地図を記録することとした.A/D変換の分解能10[bit],サンプリング周波数100[Hz]で加速度センサの値を計測した.走行経路を計測するためにGPS受信器を,計測したデータを保存する記憶装置としてマルチメディアカードを用いた. 本装置の日常生活における動作試験を行うため,健常成人男性5名(平均年齢23.4±1.2歳)を被験者とし,本装置を装着して,規定コースを任意の速度でジョギングを行った.その結果,フィールドでの加速度,移動位置のモニタリング精度の確認を行うことができた他,エネルギー消費量やエネルギー効率,走行距離,走行時間,走行速度,走行経路の計測を行うことができた, また,加速度データの2回積分データの2次回帰曲線を求め,その成分を2回積分データから引き去ることによって,体重心の相対的な移動軌跡を得ることができた.以上のように,次年度にはウェアラブルセンサによる24時間日常動作モニタ実験,動作座標系による目常動作の分類と特徴抽出を行うのに必要な手段を得ることができた.
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