近年の情報家電機器の発展に伴い、居住空間において電波吸収機能を付与した木質系建材としての開発が期待されている。しかし、筆者らの考案試作した磁性木材の電波吸収・木質調和機能及び調整機能については十分解明されてはいない。 よって本研究では下記事項について木質・磁性電波吸収建材ボードとしての基盤技術について明らかにした。 (1) 磁性木材用GHz帯磁性電波吸収材料の複合化と電波吸収性能調整手法。 (a) 導電性材料(SUS304)を用いた建材用積層型磁性木材の電波吸収特性 (b) 積層型磁性木材の斜入射電波吸収調整手法 (c) 磁性流体を含浸した磁性木質シートの作製と材料定数・電波吸収特性 (2) 内部構造を考慮した粉体型磁性木材の材料定数及び電波吸収特性 (a) ここでは積層構造、均一分散構造、凝集構造の粉体型磁性木材の材料定数を測定し、電波吸収特性を算出した。 (b) 磁性粒子間距離と材料定数の関係を簡易設計手法の観点から分析検討を行った (3) FDTD法によるGHz帯磁性木材の電波吸収特性解析(粉体型磁性木材&塗布型磁性木材) ここではFDTD法による磁性木材の電波吸収特性解析と実測結果との対応を行った。以上の結果、FDTD法の磁性木材電波吸収特性解析の適応性を明らかにした。
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