研究課題
30W〜80Wの低電力マイクロ波で点灯するアンテナ励起型高気圧マイクロ波放電を、自動車のヘッドライトに実用化されている小型高輝度のメタルハライドランプに適用して発光効率を測定したところ、定常マイクロ波による点灯で135(1m/W)、30kHz、デューテイ比66〜75%のマイクロ波パルスでは195(1m/W)を記録した。この点灯装置の実用性を高めるためにコンパクトで可搬性のある点灯システムにするために、小型固体マイクロ波発振器を採用して20cm角の厚さ5cm程度の点灯装置を製作することができた。次に、アンテナ励起型高気圧マイクロ波放電の発生機構を解明する目的で、有限要素法を用いてマイクロ波ラーンチャからアンテナ励起型ランプまでのマイクロ波伝搬特性を数値解析した。この結果、1)マイクロ波はラーンチャから入射後アンテナに沿ってランプ中心部のアンテナギャップまで伝搬すること、2)マイクロ波電界強度はギャップ長を短くすることで放電が可能なレベルにまで強まること、3)アンテナインピーダンスは分布定数回路で解析できること、4)アンテナインピーダンスは封入ガス圧とプラズマ密度に依存すること、5)アンテナインピーダンスのリアクタンスが零となるときに共振条件が満たされ放電しやすくなること、等が明らかにされた。これを実験で確認するために、内径10mmの石英管にMoまたはWのワイヤをアンテナとして用い、アンテナギャップを可変とするアンテナ励起型マイクロ波放電のモデル実験を行った。封入ガスとして1気圧のアルゴンを用いた。実験結果は数値解析の結果とよい一致を示した。これらの成果は、アンテナ励起型高気圧マイクロ波放電ランプの設計に重要な手がかりを与えるものである。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Japanese Journal of Applied Physics (掲載決定)(未定)
18^<th> Europhysics Conference on the Atomic and Molecular Physics of Ionised Gases (Lecce, Italy, July 12-16, 2006)
ページ: 271-272
Proceedings of 6^<th> International Workshop "Microwave Discharges : Fundamentals and Applications"(Zvenigorod, Russia, September 11-15)
ページ: 285-290
The 5^<th> International Conference on Global Research and Education, Inter-Academia(Iasi, Romania, September 25-28)
ページ: 559-560