研究課題/領域番号 |
18360154
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172254)
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研究分担者 |
松川 公洋 大阪市立工業研究所, 電材課, 研究員 (90416321)
小林 隆史 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (10342784)
永瀬 隆 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (00399536)
玉井 聡行 大阪市立工業研究所, 電材課, 研究員 (50416335)
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キーワード | 有機・無機ハイブリッド / 有機トランジスタ / ポリシルセスキオキサン / 電界効果法 / 局在準位 / 移動度 / インピーダンス分光 / 偏光発光 |
研究概要 |
フレキシブル有機トランジスタ(OFET)のための塗布型ゲート絶縁膜の作製を有機・無機ハイブリッド材料を用いて行った。ゲート絶縁膜の高誘電率化のため、チタニアやジルコニアなどの高誘電率材料のナノ粒子を用い、有機・無機ハイブリッドゲート絶縁膜を製膜したが、絶縁耐性、表面ラフネスに問題があり、新たな有機・無機ハイブリッドゲート絶縁膜、poly(methyl-silsesquioxane)(PMSQ)を合成した。絶縁膜としての諸特性が良好であることを確認した後、poly(3-hexylthiophene)(P3HT)を半導体層としたOFETを作製し、SiO_2上のデバイス特性と遜色のない良好な特性を実証した。さらに、フレキシブル基板であるpolycarbonate上にもPMSQ/P3HTによるOFETを作製し、FET動作を確認した。加えて、PMSQの高誘電率化のため、側鎖にシアノ基を付加し比誘電率14.9を得、FET動作も確認した。デバイス動作機構を解明するため、電界効果法による局在準位評価の検討も行った。 有機発光素子(OLED)では、偏光発光光源の高効率化に関する知見を得た。すでに、poly(9、9-dioctylfluorene)(F8)で、β相がもっとも高い発光効率(約70%)を示すことを明らかにしているが、現在までβ相配向膜は作製できなかった。ここでは、結晶配向膜の溶剤雰囲気処理によりβ相配向膜作製プロセスを新たに開発した。高い発光効率と高い配向秩序を実証し、偏光OLEDとしての有用性を示した。OLEDのデバイス評価のためインピーダンス分光法による移動度評価法、局在準位評価法を提案した。これにより、OLEDに用いる100nm以下の半導体層における移動度評価、局在準位評価を可能にした。これらの方法はバルクヘテロ接合を有する有機太陽電池の評価にも有用で、とりわけ、パーコレーション伝導性の制御の指標を与えると考えられる。
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