研究課題/領域番号 |
18360159
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
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研究分担者 |
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10282013)
早川 吉弘 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20250847)
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 集積回路 / 最適化問題 / 連想記憶 / シリコンブレイン |
研究概要 |
新提案の高次モデルの特性解析を数値解析により詳細に行い、種々の条件やパラメータに対する単一ニューロンの動作を明確にして評価した。特にバースト状態、カオス状態などの高次の状態に関係するダイナミクスを中心に安定状態、自励発振状態、その境界状態、不応期状態などとの関連性の解明を試みた。これによりモデルと既存の生理モデルとの関連も明らかになりつつある。その後、単一ニューロンの結果をベースに複数ニューロンの結合状態に関する解析を進めている。このときの指針としてエネルギー関数との関連性を用いることができるため、前課題のIDモデルに基づく結果を参照することが可能である。以上の解析によりバーストが最適化問題の解探索に有効であることが示唆され、その原因を追求中である 数値解析によるニューロン数は多くとも数百止まりでありそれを越えての解析や、また現実的なシステムを構成して自律分散処理を行わせるためには集積回路の構成が必要不可欠であるため、その回路設計を平行して進めた。この場合もニューロン単体の設計から始めてシナプス部の設計、複数ニューロンの結合系の設計へと順次拡大した。設計が確定したものから順次CADによるマスクパターンに落として集積回路製作に移し、測定と特性解析を行い、期待通りの性能が得られた。つまりバースト発振を個々のユニットで観測し、結合系については最適化問題を埋め込んでの動作に成功した。これを基に更に大規模なシステムの試作、構造化を検討した構成の展開へと進める予定である。 以上の結合系の動作は前課題のIDモデルに基づく結果を参照して静的な解表現に限定して進めたものであるが、今後早急に動的解表現の動作の解析やその有効性の評価に移行することも考慮中であり、次年度の主要課題と考えている。
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