本研究の目的は、固体イメージセンサ(CCD)を検出器として導入し、深さ方向に垂直な面内の顕微鏡画像を実時間(ビデオレート)で観察する3次元顕微鏡システムを開発することにある。そのために、高強度の周波数コム光源と機械的可動部の無い干渉計を用いた新しい光学方式を導入する。LD等スペクトル幅の広い光源と可動鏡を用いた白色干渉の原理による従来のOCTに対して、本研究では光源に周波数コム光を導入するという従来とはまったく異なる方式を提案した。 本研究で実際に検討を行った内容と結果を以下に要約する。 ・コム広帯域化:光共振構造のコム発生器を導入するとともに、コムのスペクトル特性と逆の形状のフィルタを導入して増幅することにより、25GHz間隔、帯域幅約13THzの広帯域光周波数コムの発生に成功した。 ・イメージセンサを導入した空間光学干渉計:1.5μm帯の2次元CCDを導入した3次元顕微鏡光学系を設計、構築した。 ・3次元顕微鏡システムの構築と評価:コム間隔の掃引、イメージセンサの制御とデータ取得を一括してコンピュータ制御するシステムを構築した。深さ分解能30μm、3次元画像の取得時間約1分の性能を確認した。
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