研究課題/領域番号 |
18360172
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20239528)
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研究分担者 |
塩見 英久 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00324822)
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キーワード | 偏光変調器 / 電気光学効果 / 分極反転 / 光導波路 / 光集積回路 / タンタル酸リチウム / 偏光分離素子 / Y分岐導波路 |
研究概要 |
本研究は、研究代表者がかねてから研究を進めてきた“強誘電体分極反転構造を用いた電気光学変調技術"を用いて、DCからマイクロ波・ミリ波帯において動作可能な新しい小型高性能偏光変調・偏光操作デバイスを開発することを目的とするものである。本年度は下記の研究成果を得た。 1.高性能偏光分離素子の特性解析・設計高速偏光変調により生成された偏光方向の異なるサイドバンド成分を分離するための偏光分離素子の動作解析を行った。TE・TM両偏光モードが導波可能なニッケル拡散導波路と、TM(TE)偏光のみが導波可能なプロトン交換導波路を用いてY分岐導波路型素子を構成して、広い動作波長範囲にわたって高い偏光分離比を得るための条件を、ビーム伝搬法を用いて詳細に解析した。その結果、分岐角度1/200〜1/300radとすれば、30dB以上の消光比が得られることを明らかにした。さらに、基板としてz-cutLiTaO3を用いた場合について、予想される特性を明らかにして、波長1.55μm帯で動作する偏光分離素子の設計を行った。 2.偏光分離素子の試作、動作実験設計した偏光分離素子を試作した。ニッケル拡散光導波路作製のためのニッケル薄膜の成膜条件を改良して、従来に比べて遅い成膜速度(0.005nm/s)で作製した薄膜を用いたところ、従来のものに比べて低損失な光導波路(伝搬損失4dB/mm⇒3dB/mm)を得ることに成功した。さらに、ニッケル拡散光導波路とプロトン交換光導波路を用いたY分岐導波路素子の作製も行った。2種の光導波路作製プロセスでの相互干渉があることがわかり、設計どおりの消光比を得るには到らなかったが、高性能偏光変調・操作デバイスを得るための基本実験データを得ることができた。
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