研究課題
雑音源素子として利用することを目的として、Nbを超伝導電極材料とし、Al酸化膜をトンネルバリアとしたNb/AlOx/Nb構造の超伝導トンネル接合素子(SIS素子と呼ぶ)の製作およびその高品質化に関する試作実験を行った。その結果、Nbの超伝導ギャップ電圧(約2.8mV)以下の領域でのリーク電流が著しく小さく(クオリティファクタQ=R_<SG>/R_N>20)、ギャップ電圧で急激な電流の立ち上がりを示した後、ギャップ電圧以上でオーミックな直線となる、ほぼ理想的なSIS素子の製作が再現性良く製作できるようになった。さらに、当該雑音源回路モジュールに回路素子として組み込むSIS素子およびその周辺回路の詳細な電気設計を行い、SIS素子チップの最適な回路パターンを決定した。この結果に基づき、マイクロ波帯雑音源となるSIS素子が組み込まれた回路チップを実現するフォトマスクの設計および製作を行った。現在、このフォトマスクを用いて、0-20 GHz帯で動作するマイクロ波雑音源用SIS素子の製作を行っている。また、雑音源となるSIS素子をマウントする回路基板およびそのハウジングを設計し、高周波シミュレーションにより最適化を行った後、その製作を行った。平成18、19年度の研究成果により、SIS高周波雑音源を実現するために必要な基礎技術開発がほぼ完了し、次年度からその実証試験を開始する準備が整った。
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