研究分担者 |
阪田 省二郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20064157)
太田 和夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80333491)
山口 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60220258)
國廣 昇 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60345436)
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90242346)
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研究概要 |
本年度は、主にネットワーク符号化問題におけるロバスト性とセキュア性の研究を行った. マルチキャストネットワーク通信において,ネットワーク中の複数のリンク上で観測するとき,観測データから情報を陽に復元可能とするロバスト性と,陽には復元できないセキュア性という相反する2種類の性質を同時に兼ね備える符号化の概念と条件を与え,その理論的性質を明示した.特に,セキュア性では,ランプ型秘密分散符号化を実現できる.さらに,このような符号化を実現する方法として、与えられたネットワーク符号を変更することなく,ソースから送信する情報を,ある条件付正則行列で符号化すれば十分であること,その条件付正則行列が存在する有限体サイズの十分条件を与えた.またその条件付正則行列を組織的に構成する具体的なアルゴリズムを示し,その平均時間計算量と平均領域計算量が,ともにセキュアにするリンクの組合せ総数の多項式時間で実行可能であることも理論的およびシミコ.レーションにより評価した. また、ネットワーク符号の応用として、符号化を用いたファイル共有(P2P)システムについての計算機上のシミュレーション実験と理諭的解析を行った。BitTorrentにネットワーク符号化を導入したAvalancheと呼ばれる手法を検証し、符号化を組織的に行う方法とランダムに行う方法を提案し、いずれもBitTorrentより優位であることを確認した。 さらに,ネットワーク符号化に関連するセキュアな暗号・セキュリティプロトコル,コンテンツ配信の電子透かしプロトコルの研究を行った.また,誤り・障害に対する信頼性の向上のため,代数的符号の高速高信頼の復号アルゴリズム,LDPC符号,ターボ符号などの構成,復号アルゴリズムの検討を行っている
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