研究課題/領域番号 |
18360179
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
小林 欣吾 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20029515)
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研究分担者 |
阪田 省二郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20064157)
太田 和夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80333491)
山口 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (60220258)
KURKOSKI Brian 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (80444123)
栗原 正純 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (90242346)
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キーワード | ネットワーク符号化 / ネットワーク・セキュリティ / 安全性解析 / 電子透かし / 電子指紋 / 有限状態通信路 / 誤り訂正符号 / 非2元LDPC符号 |
研究概要 |
本年度は、ネットワーク符号化における諸問題について以下の通り研究を展開した。 a) ネットワーク符号化の展開研究:本年度の研究テーマの一つであるネットワーク符号化の発展研究として、ネットワーク誤り訂正符号の復号に関する基本概念と具体的な復号アルゴリズムおよび計算量の評価などの研究を行なった。従来提案されている復号法は、exhaustive search(しらみつぶし法)(あるいはenumeration method(列挙法))に対応する方法しかなかった。我々は、従来の符号理論における検査行列の概念をネットワーク誤り訂正符号にも拡張し、シンドロームを用いた効率的な復号法を提案した。特に、単一誤りに関しては、ネットワークのリンク総数に線形なオーダーで復号できる性能をもつことを示した。 b) 無線環境における多重アクセス・ネットワーク符号化 有限状態通信路における理論的限界について新しい知見を得た。記録メデイアを具体的な対象とした有限状態マルコフ通信路の通信容量の解析をした。また無線環境における多重アクセス・ネットワーク符号化に適する誤り訂正符号の基礎的な符号化方法の検討として非2元LDPC符号の新たな解析方法、符号設計復号アルゴリズムの提案を行っている。 c) ネットワーク・セキュリティネットワーク環境における暗号情報セキュリティプロトコルの諸問題の研究を遂行した。とくに、Task-Structured PIOAフレームワークにおける安全性解析、パスワードベースの鍵交換などを中心として研究を進めた。ネットワーク利用の諸問題への取り組みとして、様々なメディアに適する電子透かし埋め込み方式、電子指紋の問題を扱った。秘密分散法を利用した電子透かし方式の基礎的な検討を行ったが、これは現在検討されているネットワーク符号化と親和性の高い方式となっている。
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