研究概要 |
UWB-IRパルス生成方式として、米国連邦通信委員会(US-FCC)が定めた3.1GHz〜10.6GHzのUWB帯域において,特にGPS帯におけるスペクトルの適合度の向上を目指した光-電気ハイブリッド信号処理方式について検討した.短光パルス源,ファイバカプラ,光サーキュレータ,ファイバグレーティング型パルスダブラ,可変光減衰器,バランス型光検出器を用いたパルス整形回路によって,低ジッタでリンギングのない電気UWB-IRパルスの生成に成功した. 次にUWB帯域をカバーするテーパードスロットアンテナ(TSA)にスロットラインによる低域通過フィルタを実装した帯域通過TSAを開発し,その特性評価を行った.3アンテナ法によって求めた帯域通過TSAの放射利得特性と上記UWB-IRパルスのRFスペクトルを乗算して等価等方放射スペクトルを推定し,新たに開発した技術によりUS-FCCの規定するスペクトルマスクに完全に適合するUWB-IRパルスの生成が可能となることを確認した. これまでに開発した短パルス光源,パルス生成方式,帯域通過TSA他を組み合わせて,US-FCCスペクトルマスクに完全に適合するUWB-IR伝送試験用テストベッドを構築し,短光パルスを光源とする特徴を活かして光ファイバを介した遠距離配信実験を行った.ファイバ伝送後にアンテナ対向無線送受信実験を行い,誤り訂正符号の併用によりエラーフリー伝送が実現できることを確認した.
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