研究概要 |
本研究課題の目的は、時々刻々変化する光パルスのアドホックな"歪み"を補償する技術の開発である。研究機関全体を通して、1)2次元的な並列処理による光パルスの処理・制御を特徴とする"歪み"を一意的に表現可能な時間-周波数領域で扱う方法、および2)相関処理による信号識別=歪み補償であることに着目した方法の2つのアプローチで検討を進める計画である。このうち本年度は、ア)実際のシステム内での非線形効果や分散効果により引き起こされる歪みの検証とイ)2次元的な並列処理による光パルスの処理・制御を特徴とする"歪み"を一意的に表現可能な時間-周波数領域で扱う歪み補償の方法の検討を中心に進めた。個々に具体的な実施内容を簡潔に説明する。 ア)歪みの検証 歪みを発生する具体的な光システムとして、当研究室で扱っている光A/D変換システムを設定し、その中での非線形効果や分散の影響のシステム全体に与える影響を検証した。検証した内容に基づき、実際に起こりうる歪みの状況やシステムに与える影響の許容量などを見積もり、歪み補償の検討にリンクさせる準備検討を進めた。 ・参照資料:IEICE Transactions on Electronics, vol.E90-C, No.2, pp.405-408(2006, Invited paper) イ)歪み補償の方法の検討 2次元的な並列処理による光パルスの処理・制御を特徴とする"歪み"を一意的に表現可能な時間-周波数領域で扱う歪み補償の方法の検討を進め、ピコ秒オーダーでの時間ジッタがリアルタイムに変化するパルスに対する例に対して、基本動作の確認実験に成功した。今後、パルスごとに対応が可能であることを実験的に実証していく必要がある。 ・参照資料:IEEE/OSA J.Lightwave Technology, vol.24, No.7, pp.2693-2700(2006, Invited paper)
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