研究概要 |
本研究課題の目的は、時々刻々変化する光パルスのアドホックな"歪み"を補償する技術の開発である。研究機関全体を通して、1)2次元的な並列処理による光パルスの処理・制御を特徴とする"歪み"を一意的に表現可能な時間-周波数領域で扱う方法、および2)相関処理による信号識別=歪み補償であることに着目した方法の2つのアプローチで検討を進める計画である。このうち本年度は、以下の3つの項目を検討した。個々に具体的な実施内容を簡潔に説明する。 ア) 実際のシステム内での非線形効果や分散効果により引き起こされる歪みの検証 歪みを発生する具体的な光システムとして、設備内で多用される既存の光符号器などが与える影響を検証した。検証した内容に基づき、実際に起こりうる歪みの状況やシステムに与える影響の許容量などを見積もり、歪み補償の検討にリンクさせる準備検討を進めた。 ・参照資料:Optical Network Technology for New Era (Joint Workshop on OPS & OCDMA), Tokyo, Japan, Nov. 2007 (Invitedpaper). イ) 2次元的な並列処理による歪み補償の方法の実証 2次元的な並列処理による光パルスの処理・制御を特徴とする"歪み"を一意的に表現可能な時間-周波数領域で扱う歪み補償め方法の検討を進め、ピコ秒オーダーでの時間ジッタがリアルタイムに変化するパルスに対する例に対して、分散の影響により1〜4psの非定常なパルス幅を持つ入力パルスに対して1psのパルス幅にリアルタイムに戻すことに成功した。 ・参照資料:CLEO/PR 2007, WH2-2, Seoul, Korea, Aug. 2007 (Invited paper). ウ) 相関処理による方法で用いるフィルタ実現方法の確立 2)の相関処理による方法で用いる相関フィルタについて、多様な機能発現が可能なサブ波長構造を持つ低コストな作成方法について検討を行った。 ・参照資料:Opt. Rev., vol14, pp.334-338(2007)./Appl. Opt., vol46, pp.5019-5026(2007).
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