研究概要 |
どこでも、いつでも、どのような情報でも通信できるユビキタス環境を実現するには、搭載されている無線機器が周囲の機器から放射される電波に干渉されずに、正常に動作することが必要不可欠である。2.4GHz帯の無線LANのように、スペクトル拡散を利用したIEEE802.11bとOFDM(直交周波数分割多重)を利用したIEEE802.11gが同じ周波数帯域を使用しており、さらに、Bluetoothも同じ帯域を利用しているため、それらの機器間における電波干渉が極めて重要な問題になっている。 平成20年度では、2.4GHz帯無線LANの帯域幅を20MHzから狭くした10MHzや5MHzの帯域幅を有する狭帯域無線LANの電波干渉特性を測定した。狭帯域無線LANのねらいは、有効チャネル数を増加することと、耐干渉特性を改善することである。帯域幅が狭くなることにより他システムと帯域幅の重なる割合が減少し、かつ、送出パワーも大きくできるため、耐干渉特性が大幅に改善されることが確認できた。 1GHz以上の周波数における電波無響室の特性評価に適用可能な放射アンテナとして、光ファイバを用いた光給電法による広帯域アンテナを開発しているが、涙形アンテナエレメントにプラスチックで補強することにより放射指向特性が改善することを実験的理論的に明らかにした。 多周波数に対応可能な電磁波吸収壁に関して、従来のフェライト等を用いた重厚でかつ光透過性を持たないものに対し、金属板を挿入することで電磁波吸収壁の軽量・薄型化を実現できるメリットに着目し,さらに反射板、挿入金属板を微細金属メッシュで構成することにより薄型化のみならず可視光の透過性をする電波吸収壁を開発した。
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