研究概要 |
本研究の目的は,視覚機能を運動制御に積極的に利用してロボットの運動機能を高めることにある。すなわち、ロボットの視覚を用いた動作計画,動作制御,バランス制御といった種々の運動制御を「ロボット動作の高速化と安定化」に結びつけ,運動制御系のための有効情報を獲得する運動視センシング機構を開発する.本課題の期間では,特に,2足歩行ロボットが高速で安定に歩くための視覚センサーの役割を解明・実装することで,新しいセンシング機構を構築する. 19年度には,次の3つのシステムを設計し,試作を行った. (1)能動カメラによる追跡に基づく高速移動体の実時間追跡・形状認識システム (2)自己の運動,対象の運動により移動する対象を安定して注視し続ける,注視制御システム (3)注視機構からの運動情報を有効に利用した運動制御システム そのために,今年度は,小型ロボットアームを高速化し,それぞれにパン,チルトを制御できるカメラと25眼カメラを取り付け,多様な状況を設定し,多数の画像を取得して,2台の能動カメラによる協調した運動視,自己および対象の運動に応じたカメラの効率的な注視制御手法に基づくセンシング機構の開発と解析を行った.また,上記の注視機構で得た成果を,現有のヒューマノイドロボットに実装し,運動視システムとしてロボットの安定で高速な運動を実現し,実システムとして提示した. これらの成果を,次年度の最終年度における研究仕上げと理論体系化に向けて,研究論文構成としての内容整理と,学会発表を行った。
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