研究概要 |
20年度は本研究の最終年度であり、期間中に設計し構築に取り掛かった, 次の3つのシステムの性能の向上を図った. (1) 能動カメラによる追跡に基づく高速移動体の実時間追跡・形状認識システム (2) 自己や対象の運動により移動する対象を安定して注視し続ける, 注視制御システム (3) 注視機構からの運動情報を有効に利用したロボットのための運動制御システム (1) は, たとえば, 移動ロボットの前方を横切る物体, 監視カメラの前方を横切る車両などの立体形状を実時間で認識し, 追跡するシステムであり, 本年度では, 全方向カメラを導入して, 全周囲を見わたす高速物体検出アルゴリズムの実用性を確認した. (2) では, 複数台のカメラが注視点をそろえて協調して対象の動きをとらえ, 安定して注視し続けると共に, その対象の立体形状を計測する. これについても, 導入した全方向カメラによる画像と協調してより的確な対象検出を行うシステムとして組み上げた. (3) では, 上記の注視機構で得た成果を, 現有のヒューマノイドロボットに実装し, 運動視システムとしてロボットの安定で高速な運動を実現した. 対象の形状や自己および対象の運動に応じたカメラの効率的な注視制御方法を考案し, 効率がどのような要因で決定されるのかなどを理論化した. 多様な状況を設定し, 多数の画像を取得して, 有効性を確認した. 以上を総合して、ロボットの高速で安定な行動を実現する運動視センシング機構の構築を完成させた.
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