研究課題/領域番号 |
18360194
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
平田 拓 山形大学, 理工学研究科, 教授 (60250958)
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研究分担者 |
藤井 博匡 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (70209013)
伊藤 康一 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (30291149)
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キーワード | 電子スピン共鳴イメージング / 共振器 / 画像再構成 / 脳 / スライス選択画像 |
研究概要 |
平成19年度は機能的電子スピン共鳴(ESR)イメージングを行なう画像処理プログラムの開発を行なった。具体的には、ESRスペクトル情報を空間上にマッピングできるスペクトル空間ESRイメージングを可能にするソフトウエアを開発した。3次元(2次元空間とスペクトル)スペクトル空間イメージングが可能になった。酸素分圧によりスペクトルが変化する模擬試料を用いて、ソフトウエアが目的とする画像を再構成できることを示した。 この成果は、今後のマウスを用いた実験において、マウス脳内のESRスペクトルの変化を可視化する際に役に立つものである。本研究課題で目的としている機能的情報、すなわち、脳内の酸素分圧や一酸化窒素の発生とてんかん発作の関係等の実験に使用する予定である。 また、スライス選択ESR画像の取得を可能にする測定法を開発した。従来の方法では、3次元のイメージングを行なってから、コンピュータ上で2次元スライス画像を生成していた。開発した手法では、磁場勾配を正弦波的に振ることにより、磁場変調を受けない場所の信号のみ取得することが可能である。この原理を用いて、スライス選択された2次元画像を取得することに成功した。短時間に、特定の部位の画像を求めるには、スライス選択イメージングが有利である。また、スライス選択画像を重ねることにより、3次元画像の生成が可能であることも実験的に示すことができた。さらに、高速に3次元ESRイメージングを行なうために、高速磁場掃引と均一プロジェクション投影により、30秒でマウス頭部の3次元画像を取得することに成功した。この高速化により、従来測定することが困難であった短時間で消失するスピンプローブの可視化が可能になった。
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