研究課題/領域番号 |
18360196
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
穂積 直裕 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30314090)
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研究分担者 |
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
吉田 祥子 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (40222393)
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キーワード | 超音波 / 生体組織 / 音響インピーダンス |
研究概要 |
(1)高分解能を実現するための測定システムの開発 本研究課題で提案している音響インピーダンス顕微鏡は、高分子基板に接触した生体軟組織断面の特性音響インピーダンスを画像化し、非染色、非接触で定量性を有する生体組織観察を可能にすることを目指している。本研究で用いる音響系では、汎用性の高い球面振動子あるいは球面レンズ型振動子を使用し、高分子板の背面から超音波を送波する。高分子板と振動子は水で結合させるが、水と高分子の音響物性が異なるために、収差が生じる。平成20年度は幾何光学的な計算によりこの収差を評価し、水中の集束径に比べて無視できない程度であることを確認した。これを計算により補正することができれば、取得画像の高分解能化を図ることができる。平成21年度以降の研究において、系の高周波化と収差補正により、サブミクロンレベルの画像分解能を目指す。 (2)各種生体組織の観察 ラット由来の星状グリア細胞、グリオーマ細胞、繊維芽細胞を高分子フィルム上に培養し、音響インピーダンス像を観察した。その結果、細胞核と細胞骨格を含む細胞の内部構造が音響インピーダンス分布として観察できることが判った。また、ラットの脳腫瘍モデルの音響インピーダンス像を観察し、腫瘍部分は音響インピーダンスの空間的ばらつきが大きいことが判った。平成21年度以降の研究においては、医学生物学研究者の協力を得て、臨床応用を含む応用開拓を行う。 (3)各種弾性パラメータの計算方法の検討 外科医がベッドサイドで使える光速顕微プローブの開発を目指した走査方式の一つとして、従来のXY走査に代えて螺線走査を提案し、簡単な予備実験を実癒した。得られたプロファイルを座標変換によって直交座標系で表示できることを示した。
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