研究課題/領域番号 |
18360204
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木村 英紀 独立行政法人理化学研究所, 生物制御システム研究チーム, チームリーダー (10029514)
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研究分担者 |
中山 学之 名古屋工業大学, 工学系研究科, 研究員 (80332344)
田中 玲子 独立行政法人理化学研究所, 生物制御システム研究チーム, 研究員 (50306875)
下田 真吾 独立行政法人理化学研究所, 生物制御システム研究チーム, 研究員 (20415186)
WOJTARA Tytus 独立行政法人理化学研究所, 生物制御システム研究チーム, 研究員 (00415093)
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キーワード | 複合制御 / 自己組織 / 運動制御 / 遺伝子発現制御 / 転写制御 / オペロン |
研究概要 |
本年度は当初の研究目的の実現に向けて細胞、臓器、個体それぞれ大きく進歩することができた。細胞レベルでは複合制御のロジックを分類することを通して、その基本的構造を明らかにした。それによると、たとえば入力が2つの場合は複合制御として意味のあるパターンは4つに分類される。それぞれのパターンの生物学的意味も明らかにした。この結果はJournal of Theoretical Biologyへの掲載が確定した。また昨年度来行ってきた分子間相互作用にもとつく転写/代謝制御の基礎理論がJournal of Theoretical Biologyに掲載され、大きな反響を起こした。転写制御と代謝制御における複合性を議論する基本的な枠組ができあがったと思われる。 臓器レベルではグルコース/インシュリンのダイナミックスにもとづく糖尿病のモデルを構築し、複合制御のメゾスコピックレベルでの構造を明らかにした。これについてはさらに拡張し、システム医療への応用を考察中である。 個体レベルでは「下田モデル」にもとつく神経回路系の数学的構造がある程度明らかになり、それが適応制御として外界に対して適切に動作することが示された。これらの成果を概観すると、複合制御のもつ等質な計算媒体とそれにもとつく可複合性、可進化性が生物制御の中で重要な役割を果たしていることがますます明らかになりつつある。
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