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2007 年度 実績報告書

劣化外力として酸性物質が作用するコンクリートの耐久性評価

研究課題

研究課題/領域番号 18360209
研究機関広島大学

研究代表者

河合 研至  広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90224716)

キーワードコンクリート / 炭酸化 / 酸性劣化 / 物質移動 / セメント水和物 / 混和材 / 硫酸
研究概要

二酸化炭素を含む酸性物質によるセメント硬化体の分解メカニズムを明らかとし,これらを考慮した酸性物質の作用によるコンクリートの劣化進行速度の予測を可能とする解析手法の提案を行うことを目的として,炭酸によるセメント水和物の分解過程ならびに強酸によるセメント硬化体の分解過程について実験的検討を行い,これらの研究結果ならびに昨年度の研究結果に基づき,解析的アプローチを実施した.
炭酸によるセメント水和物の分解過程に関する実験では,二酸化炭素がコンクリート中の溶液に溶解する過程を明らかとするため,試薬のNaOHによりpHを13.2に調製した溶液とCO_2を接触させ,このときの溶液pHの変化を計測した.接触させたCO_2の濃度は0.5%と1.0%である.これにより,コンクリート内部における,気相から液相への二酸化炭素の溶解をモデル化した.
強酸によるセメント硬化体の分解過程に関する実験では,混和材として高炉スラグ微粉末,フライアッシュ,シリカフュームを混和したセメントペースト,モルタル,コンクリート供試体を作製し,これらをpHが1.0,2.0あるいは4.0の硫酸溶液に浸漬して,経時的に侵食深さを測定した.なお,一部の供試体では混和材を2種類あるいは3種類混和し,各混和材の置換率も変化させた.この結果より,複数の混和材を混和することにより耐硫酸性が向上するものの,その程度は混和材の組合せ,置換率によって大きく異なることが明らかとなった.
以上の実験結果と昨年度の結果より,解析的アプローチを実施したが,酸性物質の作用によるコンクリートの劣化進行予測を統一的に可能とするモデルの構築までには至らなかった.上述した気相から液相への二酸化炭素の溶解過程など,個別要素に関しては,精緻なモデルを構築することができた.今後の研究展開として,これらの個別要素モデルを組み合わせて,統一的なモデル構築を行うことが必要である.

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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