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2007 年度 実績報告書

斜張橋ケーブルの空力振動現象の解明に基づいた制振対策と損傷劣化対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18360218
研究機関京都大学

研究代表者

松本 勝  京都大学, 工学研究科, 教授 (00026270)

研究分担者 白土 博通  京都大学, 工学研究科, 准教授 (70150323)
八木 知己  京都大学, 工学研究科, 助教 (30293905)
キーワード斜張橋ケーブル / レインバイブレーション / ドライステートギャロッピング / カルマン渦 / スクルートン数 / 軸方向流 / 水路 / ヘリカルワイヤ
研究概要

本研究の目的は,斜張橋ケーブルの空力振動現象の発生メカニズムをカルマン渦の強度という観点から議論し,これらの空力振動を制振するための手法ならびに付加減衰について検討を加え,ケーブルの損傷劣化対策を考える際に必要な知見を得ることである.本研究では,ケーブルの空力振動現象の発生要因と考えられている,傾斜ケーブル後流域に生成される軸方向流れ,降雨によってケーブル表面に形成される上面側水路,高風速域で現れる臨界レイノルズ数による効果等を,全てカルマン渦が抑えられている効果と解釈し統一的に議論した.
特に,傾斜ケーブルの後流域において,軸方向流の生成が弱い際に,カルマン渦強度が上昇し,またその逆も確認された.従って,軸方向流の生成が非定常であり,その結果カルマン渦強度も非定常に変化する場合,非定常ギャロッピングが発現することが明らかとなった.また,ケーブル表面のある特定位置に水路を付加することでカルマン渦放出を抑制し,その結果ケーブルが空力的に不安定になることが確認された.即ち,レインバイブレーションやドライステートギャロッピングは,上述の発生要因の組み合わせで発生し,全てカルマン渦の抑制による効果で説明が可能となった.
ギャロッピングに対するスクルートン数(質量減衰パラメータ)の効果は,臨界レイノルズ数によるギャロッピングに対しては敏感であり,軸方向流による非定常ギャロッピングに対しては,あまり影響を受けないことが判明した.過去の実橋ケーブルで観測された大振幅振動は事例も少なく,構造減衰が明確でないため,どちらの振動とも断定できず,さらなる観測データが必要である.
また制振対策として,送電線で用いられているヘリカルワイヤ付きケーブルを検討した.その応答特性は,カルマン渦放出強度と密接に関係していることが明らかとなり,軸方向突起付きケーブルの空力特性から説明

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sensitivity of dry-state galloping of cable stayed bridges to Scruton number2007

    • 著者名/発表者名
      Masaru Matsumoto, Tomomi Yagi, Hideaki Hatsuda, Takanori Shima, Masanobu Tanaka
    • 雑誌名

      Proceedings of the Seventh International Symposium on Cable Dynamics

      ページ: 331-338

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Karman vortex effects on aerodynamic instabilities of inclined stay-cables2007

    • 著者名/発表者名
      Masaru Matsumoto, Tomomi Yagi, Youichi adachi, Hideaki Hatsuda, Takanori Shima
    • 雑誌名

      Proceedings of the 12th International Conference on Wind Engineering

      ページ: 175-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cross flow response of circular cylinder influenced by Karman vortex mitigation2007

    • 著者名/発表者名
      Masaru Matsumoto, Tomomi Yagi, Yoichi Adachi, Hideaki Hatsuda, Takanori Shima
    • 雑誌名

      Proceedings of the Seventh International Symposium on Cable Dynamics

      ページ: 323-330

    • 査読あり
  • [学会発表] 傾斜ケーブルに生じるdry-state gallopingの空力振動制御について2007

    • 著者名/発表者名
      田中政信, 松本 勝, 八木知己, 初田英明, 島 宜範
    • 学会等名
      土木学会第62回年次学術講演会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2007-09-12
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 斜張橋ケーブルに生じるdry-state gallopingの制振に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      島 宜範, 松本 勝, 八木知己, 初田英明, 田中政信
    • 学会等名
      平成19年度日本風工学会年次研究発表会
    • 発表場所
      九州工業大学
    • 年月日
      2007-06-01
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 傾斜ケーブルの空力振動特性における断面形状とSc数の効果について2007

    • 著者名/発表者名
      田中政信, 松本 勝, 八木知己, 初田英明, 島 宜範
    • 学会等名
      平成19年度土木学会関西支部年次学術講演会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2007-05-26
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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