研究課題/領域番号 |
18360225
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
渡邉 邦夫 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (00008880)
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研究分担者 |
川上 英二 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (50125887)
桑野 二郎 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (30178149)
長田 昌彦 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 准教授 (00214114)
小口 千明 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 准教授 (20312803)
深堀 清隆 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70292646)
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キーワード | アジナテパ遺跡 / 土構造遺跡 / 遺跡修復 / 塩類風化 / 長期安定性 / 日干しレンガ / 景観設計 / アニメーション |
研究概要 |
平成20年度も、平成19年度に引き続き、主にタジキスタン、アジナテパ仏教僧院寺院を対象にして修復作業を行いながら研究を進めた。主な研究内容は下記である。 (1)前年度に行った大ストゥーパの被覆現場実験結果に基づき耐久性に優れた被覆工法を選定する。 (2)今までの研究結果を総合して、実際の修復を行なう。 (3)土構造物の劣化に影響が大きい塩類風化を止める工法を試験的に用いて、効果を調べる。 (4)遺跡修復後の景観設計を行う。とくに、ウォークスルー・アニメーションを作成する。 20年度に得られた主な研究成果は以下である。 (1)大ストゥーパの被覆実験から、壁土被覆でも、かなり良い効果を示す。しかしながら、壁土のみの被覆では、椋櫚縄や木綿縄で補強しても、植生の成長により容易に破壊される。そのため、日干しレンガで被覆した上に壁土で覆うことが必要である。 (2)大ストゥーパ、残存壁とも、日干しレンガと壁土被覆による修復を行う事ができた。修復後、周辺に排水溝を設置した。 (3)土構造物に与える塩類風化の影響を軽減するため、壁下方、油をしみこませた紙を敷く工法を試験的に用いた結果、風化を大幅に軽減できた。これは、油紙が地下からの毛管水の上昇を止めることによるものである。 (4)写真測量によって得られた、遺跡修復前後の3次元データを用いて景観設計を行い、ウォークスルー・アニメーションを作成し、将来的な遺跡管理計画を提案した。
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