研究分担者 |
建山 和由 立命館大学, 理工学部, 教授 (10179731)
大塚 悟 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40194203)
木村 亮 京都大学, 産官学連携センター, 教授 (30177927)
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20243066)
真下 英人 京都大学, 独立行政法人・土木研究所・基礎道路技術研究グループ, 研究員 (80355875)
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研究概要 |
トンネル工学は,わが国が世界に誇る技術の1つである.山岳の多い国土や,人口の集中する都市部の有効利用を図るために先人たちが営々と育んできた技術の結晶である.特に青函トンネルに代表される長大トンネルや,都市部の未固結地盤に被りの浅いトンネルなど究極に近い条件のもとでトンネルを掘削してきた.しかし一方で技術は確かに大成したが,いまでも大きな問題となっているのは,施行時のトンネルの安定性である.実際,人身事故の至らない範囲ではあるが,近年,トンネル施行現場で地盤の崩壊がしばしば発生している.これほどの技術力の高いわが国で,どうしてこのようなことになるのであろうか.実は,これには1つの明確な事実がある.すなわち,施行時のトンネル構造がどの程度の力学的安定性を有しているかを評価する手法がないのである.この問題を真正面に取り上げ,力学的,実験的かつ実証的にこの安定性の評価の方法を提案しようとするのが本研究の目的である.平成19年において得られた成果は以下の通りである。 1)トンネル切羽の崩壊:切羽の3次元的な応力状態の把握が崩壊を支配していること。 2)地下水上昇によるトンネル崩壊:砂地盤は地下水の高さが応力状態に大きな影響を与えること。 3)実験データと2次元数値解析:ある範囲では2次元解析でもよい予測が可能なこと。 4)トンネル崩壊のモデル化:剛塑性有限要素法で崩壊がモデル化できること。 5)インバート掘削部の評価:インバート応力がトンネル全体の安定性に大きな効果をもつこと。
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