研究課題
粘土・砂礫および石油高分子ジオシンセティックス・EPS等の地盤材料の非弾性挙動の各種要因とそれらの間の相互作用の解明を目的として系統的な平面ひずみ・三軸圧縮試験・一面せん断試験及び模型実験と理論的解析を行い、以下を明らかにした。1.粘性特性:a)多様な地盤材料の粘性には次の四つの基本タイプがあり、粘着力の有無、粒子形状と粒度分布によって異なる。Isotach粘性(現在の応力は現在の非可逆ひずみε^<ir>とその速度の一義的関数であり強度はε^<ir>が増加すると増加),Combined粘性(Isotach粘性とTESRA粘性の組み合わせ),TESRA粘生(あるε^<ir>で発生した粘性応力増分はε^<ir>の増加に伴って減衰すると同時に、単調載荷における強度はひずみ速度に依存しない)、Positive & Negative粘性(ひずみ速度の増加により発生する正の粘性応力増分はε^<ir>の増加に伴って減衰するが、単調載荷における強度はひずみ速度が増加すると減少する)。ピーク前では、粘着力がある地盤材料と粘性土や良配合で粒子が角張った粒状体はIsotach粘性を、貧配合で粒子が角張った粒状体はTESRA粘性を、貧配合で粒子が丸い粒状体はP&N粘性を示す。b)同一の地盤材料でも、ピーク応力を超えてε^<ir>が大きくなるほど、Isotach粘性はTESRA粘性に、TESRA粘性はP&N粘性に遷移する。c)多様な粘性タイプと粘性タイプのひずみによる遷移を土質とε^<ir>の関数である粘性タイプパラメータθによって定量的に表現した一般式を導いた。これを組み込んだ非線型三要素モデルによって、クリープ変形・応力ひずみ関係のひずみ速度履歴依存性等を正確に数値解析できる。c)正の年代効果に伴う高剛性応力範囲の拡大の法則性を、年代効果パラメータによって定量化した。2.塑性・粘性・年代効果の間の相互作用:a)弾性・ピーク強度を含む応力〜ひずみ関係に対する年代効果を定量的に表現した。b)年代効果と非粘性降伏特性の相互干渉を干渉関数で定量的に表現し、その相互干渉のひずみの増加による損傷を損傷関数によって定量的に表現した。b)これらを非線型三要素モデルに組み込み、セメント改良土が短期的に、地盤材料が長期亘り示す複雑な時間効果を統一的に表現した。3.系統的な室内小型模型実験の結果の数値解析できる合理的なモデルを提案した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (6件)
Geomechanics : Laboratory testing, Modeling and Applications (Ling et al., eds.), Springer
ページ: 1-108
Geosynthetics International(Journal of the IGS) Vol.13,No.1
ページ: 23-38
Soils and Foundations(地盤工学会論文報告集) Vol.47,No.2
ページ: 265-284
ページ: 395-414
ページ: 375-394
Geosynthetics International (Journal of the IGS) Vol.14,No.4(掲載決定していますが、不明)