研究分担者 |
佐々 真志 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 主任研究官 (10392979)
中川 康之 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (30360762)
桑江 朝比呂 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (40359229)
関口 秀雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (20027296)
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研究概要 |
地球物理学的手法の一つとして採用した表面波探査は,地盤の硬軟に対応したせん断波速度によって干潟地盤堆積構造を効率的に把握することにおいてきわめて有効であった。探査や物理試験により定量化された干潟堆積構造(地盤の硬軟,間隙分布)は,波浪や潮汐流を通じて土砂が堆積した後,潮汐に伴う地下水位変動の影響を受け,これに起因したサクション動態に基づく土骨格の繰返し弾塑性変形の帰結として定量的に説明できることを明らかにした。 小型UAVを使った航空写真撮影を行い,時刻ごとの水際線の変化を捉えることによって,きわめて平坦な干潟地盤の微地形を効率的かつ精密に把握できた.高解像度画像により底生生物の巣穴やその密度等をも捉えることができた。微地形によって作り出される土砂環境に関連して,コメツキガニの巣穴住活動における適合場すなわち臨界・最適・限界状態は,間隙状態に応じてサクションによって誘起される土砂環境場(粘着力と硬さ)が支配していることを一連の室内地盤および生物実験を通じて明らかにした。さらに,干潟の代表的底生生物で水産有用種でもあるアサリにも着目し,その潜砂能力が土砂環境動態に強く依存していることを示した。
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