研究課題
2年間の研究成果を踏まえ、3次元微細流れの影響を考慮した都市境界層の修正乱流相似理論の提案を行うべく、フラックス・3次元微細流れの同期観測結果とLES-CITYによる数値実験結果から得られた各種無次元乱流統計量を既存の乱流相似理論と比較した。(1) 準実屋外スケールモデルにおけるPIV計測と壁面加熱実験中立時と壁面加熱時の流れ場およびフラックスを、本課題で開発した屋外PIV計測を用いて詳細に比較検討することにより、フルード数のようなバルクな安定度パラメータを同じとしても、加熱される壁面の相対的位置の違いにより、キャノピー層内の流れ場及び上空大気へのフラックスが変化する事が明瞭に見いだされた。(2) LES-CITYによる補足数値実験上記のPIV計測で得られた発見を検証すべく、LESモデルを用いた詳細な数値検証実験を行った。その結果、加熱位置による乱流場への影響が再現された。年度当初の計画では、通常のモーニンオブコフ大気安定度指標の他に、冷気沈降や加熱上昇流の強さと言ったキャノピー微細流れを特徴づける直接的物理量(=キャノピー流れ特性量)を導入して乱流相似理論の修正を行う必要があると考えていたが、加熱位置による乱流場への影響は、結果としてキャノピー構成面の表面温度の違いに反映されるため、キャノピー面温度が正しく計測されれば、通常の熱流体力学的な乱流相似理論の拡張適用で取り扱える事がわかった。
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土木学会水工学論文集 第53巻
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Annual Journal of Hydraulic Engineering, JSCE 第53巻
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http://www.ide.titech.ac.jp/~kandalab/ja/research/research.html