本研究主題は次の3つの側面から各連携研究者が分担して研究が進められた。 (1)成熟社会における社会資本整備の新たな評価視点・評価軸の考察・開発 (2)従来の社会資本整備の社会便益計測技法の改善・拡張と応用 (3)従来の社会資本整備事業制度と批判的総括と新たな制度論の構築 各連携研究者はそれぞれの観点から研究を進めているが、これらの中間成果交流と行政担当者との意見交流を兼ねて、平成20年5月8日に、公開シンポジウム(財)名古屋都市センターと共催)を行った。研究報告は上記(1)の観点から西村、(2)の観点から奥田、(3)の観点から加藤が行い、他の連携研究者と名古屋市行政担当者を交えて「「生活基盤」に重点をおいた社会資本整備の新たな評価軸を考える」をテーマに討議を行った。また、12月2日には本研究会の研究報告シンポジウムを市民公開で開催し、竹内が総括報告を「いま、どんな社会資本整備が必要なのか」と題して行った(この論旨は日刊建設産業新聞11月13日(木)付紙面に寄稿論文として掲載されている)。ほか、高木が上記(2)について、富樫、加藤が(1)について基調報告を行っている。ここでの討議(全員参加)をまとめ、さらに3年間の研究成果を総括して、230ページに及ぶ研究報告書を印刷公刊した。内容は3部に分かれており、第1部は全11名各員の研究成果とりまとめ、2部が上記シンポジウムの記録であり、第3部に3年間に各員が公表した論文・文章の複写を集成している。これは、関係各方面に送付するとともに各分担者の下において公開される。
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