研究概要 |
本研究は、携帯電話機(移動機)の情報処理能力の飛躍的発展をうけ、携帯電話機を情報処理およびユーザインタフェース装置として活用し、さらにUHF帯RFIDタグを利用する視覚障害者用ナビゲーションのシステム構築を目的としている。 当初2ヵ年(平成19〜20年度)に、実システムを模した機器を用いた市街地歩行実験(フィールド実験)を被験者数100弱の規模で実施して、システムを改良してきた。最終(第3)年度にあたる今年度は、以下の3項目を実施した。 1.歩行支援アルゴリズムの拡張・改良:昨年度のフィールド実験の結果を踏まえて、実用化へ向けたアルゴリズム改良を行った。 2.ユーザインタフェースの改良:歩行支援情報の提供方法のみならず、携行機器自体の使い勝手も改良した。 3,フィールド実験(第2期):大阪市内および東京都内の中心市街地において、被験者数31人のフィールド実験を行った。これは実証試験と位置づけられる。安全性評価のための被誘導者・周辺歩行者挙動ビデオ撮影も行った。 研究成果の取りまとめは、以下の観点で行った。 (1)携帯電話用UHF帯RFIDタグを位置特定基盤として活用する際の設置条件などの考え方 (2)視覚に障害を持つ人にとってわかりやすいユーザインタフェース(音信号や振動など) (3)誘導される視覚障害者と周辺通行者の双方の安全性を担保する誘導のあり方 なお、本研究をさらに発展させる研究(課題番号21360247)を平成21〜23年度に実施する。
|