研究概要 |
当初の計画書に記載したように本研究の具体的な研究目的は以下のようである。 1) スティールバンドを有する柱・梁接合形態の選定と接合部の剪断応力伝達性状の把握 2) ト型アンボンドPCaPC柱・梁接合部試験体の設計・製作 3) ト型と十字型アンポンドPCaPC柱梁接合部試験体の制作と載荷実験による変形力学性状の把握 4) スプリットティー付き圧着接合部試験体によるエネルギー吸収能力改善法の提案と評価, 更には繰返し載荷時を含む有限要素解析手法の開発と設計法の提案 平成20年度は上記の達成目標のうち、3)の後半と4)の後半が対象であり、以下の成果を得た。 (1) 昨年度中に制作しておいた「外柱と内柱に取り付く梁柱構造」を想定したト型と十字型の試験体・各2タイプ(接合部にスティールバンドを持つタイプとこれを持たないタイプ)の繰返し載荷実験を行った。その結果, ト型, 十字型ともにスティールバンドの有無に拘らず粗同様な構造性能を有するが, 最大荷重履歴後の接合部(特に梁)の損傷は, スティールバンドを有するタイプにはト型・十字型共に全く見られず, 解体後もそのままリユース可能の状態を保っている事を確認した。 (2) 前年度にスプリットティーに代わるスティールダンパーを試作し性能実験を行ったダンパーに改良を加えト型圧着接合試験体に取り付け繰返し載荷実験を行い, 更に著者らのFEM解析法を拡張し解析結果との比較を通して, 試験体のエネルギー吸収性改善の可能性における摩擦ダンパーの有用性示し, この種の構造のもつ優れた構造特性を明らかにした。
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