研究分担者 |
松井 智哉 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (20402662)
中澤 祥二 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (70314094)
西山 功 国土交通省国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 部長 (30344005)
福山 洋 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (60344008)
西村 泰志 大阪工業, 工学部, 教授 (10102998)
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研究概要 |
本研究課題は,鉄骨とコンクリートのみから構成される鉄骨コンクリート(Concrete Encased Steel:以下,CES)構造システムを対象とした限界耐力計算による耐震性能評価法の開発を目的としたものである。 平成19年度においてはCES柱梁接合部およびCES架構の構造性能評価,並びにCESを用いた耐震補強工法に関する研究を実施した。 CES柱梁接合部の構造性能評価に関する研究では,接合部せん断余裕度の異なる外柱梁接合部2体の構造実験を実施した。その結果,CES柱の場合と同様に,大変形時においてもコンクリートの剥落はほとんど確認されず,安定した復元力特性を示すことを明らかにした。また,パネルのせん断耐力に関しては,鉄骨鉄筋コンクリート規準式を用いて概ね評価できることを確認した。一方,CES架構の構造性能評価に関する研究では,15層程度の純フレーム建築物を想定し,下部2.5層の2スパンを取り出した約1/2縮少モデルの架構試験体1体の静的載荷実験を実施し,破壊性状,復元力特性および接合部パネルの挙動等を明らかにした。さらに,正負交番の静的非線形解析を実施し,当該架構の荷重一変形関係を解析によって追跡できることを示した。 また,CESを用いた耐震補強工法に関する研究については,CES架構を既存RC建築物の外側から装着する「CES外付け工法」と既存建築物の内部にCES架構を挿入する「CES内挿フレーム補強工法」という2つの工法を提案し,それぞれについて基礎実験を実施し,耐震補強工法としての有効性を確認した。来年度は,これらの工法の補強設計法の確立を目的とした研究を実施する予定である。
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