研究課題/領域番号 |
18360264
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹脇 出 京都大学, 工学研究科, 教授 (20155055)
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研究分担者 |
辻 聖晃 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00243121)
吉富 信太 京都大学, 工学研究科, 助教 (30432363)
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キーワード | 耐震設計 / 極限外乱 / 入力エネルギー / 長周期地震動 / 制振構造 / 構造物-杭-地盤連成系 / 多成分入力 / 共振波 |
研究概要 |
建築構造物の耐震安全性を高い信頼性のもとで確保するには、最大変形と累積エネルギーの両者について的確な安全性確保の方策を講じる必要がある。今年度において以下の成果を得た。 (1) 入力地震動の不確定性を考慮した設計法を展開するために、多成分地震動入力を受ける種々の構造物について、基礎の浮き上がりや材端応力に対する極限外乱を見出す理論を展開した。各方向の地震動成分の間の最悪な相関に着目し、それを効率的に解明する方法を提案した。特に水平2方向入力に対する理論を展開した。 (2) 速度パワーや加速度パワーを制約した場合の近似極限外乱としての共振正弦波入力を用いて、粘性型ダンパーを有する骨組と履歴型ダンパーを有する骨組の極限的な地震時特性を明らかにした。この特性を明示的に示すには、横軸を地動パラメターとする性能曲線を描くことが有効である。本研究では、この性能曲線をスイーピング性能曲線と命名した。 (3) 1次固有周期と層数の特性関係を用いると、弾性系の建物については、最大層間変位と地動最大速度には層数にほぼ関係のない関係式が誘導できることを、また、総入力エネルギーと速度パワーには層数にほぼ関係のない関係式が誘導できることを明らかにした。さらに、弾塑性系についても近似的関係が成立することを明らかにした。 (4) Truncated地震動の概念を導入して総入力エネルギーとエネルギー入力率を振動数域で定式化する方法を開発した。また、標準的な地震動と長周期地震動についてtruncated地震動のモデルを提案し、免震建物に対する総入力エネルギーとエネルギー入力率の特性を明らかにした。
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