研究課題/領域番号 |
18360265
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 康裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (70324704)
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研究分担者 |
吹田 啓一郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70206374)
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40313837)
森井 雄史 京都大学, 工学研究科, 助教 (10419450)
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キーワード | 木造住宅 / 倒壞 / 変形性能 / 地震被害 / 静的加力実験 / P-Δ効果 / 垂壁 / 地震リスク評価 |
研究概要 |
(1) 限界変形性能確認実験 H20年度は横架材として、差鴨居を有する伝統的な構法による軸組を対象として、垂れ壁仕様・柱寸法・差鴨居のせい・柱脚の固定条件・建具の有無などを実験パラメータとして倒壊限界変形性能を確認するための静的載荷実験を行った。また、柱折損後の軸力が横架材によって再配分が、木造住宅の限界変形性能に及ぼす影響を確認するための静的載荷実験を行った。その結果、垂れ壁の破壊、柱折損やP-Δ効果による復元力低下など、木造軸組が倒壊に至る力学的メカニズムを明らかとするとともに、木造軸組の耐力や破壊過程が変形性能に及ぼす影響を明らかとした。一方、静的載荷実験を実施した試験体の柱・梁の接合部最大変形角と最大層間変形角の関係を調べ、垂れ壁などの取り付かない独立柱の接合部最大変形角より地震時に被った木造住宅の最大層間変形角を推定可能で、地震後に即時残余耐震性能を推定可能であることを示した。 (2) 限界変形性能評価・解析手法の開発 H18〜20年度に実施した静的載荷実験結果や1995年に発生した兵庫県南部地震以降に発生した能登半島沖地震や新潟県中越沖地震などの近年の被害地震における木造住宅被害との整合性検討を通じて、木造住宅の倒壊限界変形性能を実証的かつ定量的に明らかとするとともに、性能等価スペクトルを用いた地震リスク評価法の簡易推定法を構築した。そして、木造住宅の倒壊回避や地震時に被る損失費用を低減するために必要な最大層間変形角について検討し、耐震設計で用いる安全限界変形の設定法を提案した。
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