研究課題/領域番号 |
18360271
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研究機関 | 鹿島建設株式会社 研究・技術開発本部小堀研究室 |
研究代表者 |
竹中 康雄 鹿島建設株式会社 研究, 技術開発本部小堀研究室, 室次長 (20416853)
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研究分担者 |
近藤 明洋 鹿島建設株式会社 研究, 技術開発本部・技術研究所, 主任研究員 (50416872)
高岡 栄治 鹿島建設株式会社 研究, 技術開発本部・技術研究所, 主任研究員 (30416771)
引田 真規子 鹿島建設株式会社 研究, 技術開発本部・技術研究所, 研究員 (20443731)
北村 春幸 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20339112)
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キーワード | 免震構造 / 長周期地震動 / 鉛プラグ入り積層ゴム / 高減衰積層ゴム / 動的加振実験 / 温度上昇 / 履歴復元力特性 |
研究概要 |
免震構造物の限界挙動のうち、これまで殆ど解明されていない重要な問題である免震装置の熱的挙動の影響を解明することを本研究の目的とした。すなわち、長周期地震動などにより大振幅多数回繰返し変形を受ける免震装置が地震エネルギーを吸収することにより発熱・温度上昇する際の減衰特性の劣化とそれに伴う免震建物の揺れの増大あるいは免震装置の損傷について実験的解明と解析評価法の開発を行う。本年度は以下の3項目を実施した。 (1)長周期地震動を受ける免震建物の応答特性の把握 長周期地震動として2003年十勝沖地震苫小牧波、メキシコ波、名古屋三の丸波などを選び、免震建物の予備応答解析を行い、免震建物および免震装置の応答特性を把握し、エネルギー的に厳しい応答変位波形6波を次項の動的加振実験の加振波形に選定した。 (2)積層ゴムの熱的・力学的挙動の実験的解明 実験対象免震装置として鉛プラグ入り積層ゴムおよび高減衰積層ゴムを選び、実大サイズの直径Φ1000mm積層ゴムおよびその1/2、1/4の縮小試験体を製作し、動的2軸試験機により正弦波加振(パラメータは加振周期、加振振幅)および上記の地震応答波による加振を実施し、免震装置の荷重及び変形、積層ゴム各部の温度変化を計測した。鉛プラグ入り積層ゴムの発熱部位である融点327.5℃の鉛部は150℃を超える温度上昇も見られ、またそれに伴う減衰機能の低下を定量的に把握した。実大と縮小試験体の同一加振条件での荷重変形曲線はかなり異なり、このような熱・力学連成挙動にはスケール効果があることがわかった。また試験終了後の試験体をカットして損傷状態を確認した。高減衰積層ゴムについては全体的且つ一様に発熱するため減衰機能の低下は顕著ではなくスケール効果も小さいことがわかった。 (3)積層ゴムの熱伝達解析法の開発と力学的挙動の連成作用の分析 実験結果の積層ゴム各部の温度上昇を解析的に再現するため、3次元FEMによる熱伝達解析及び簡便で実用的な差分法による熱伝達解析を行った。来年度さらに検討を進め熱・力学連成挙動を考慮した地震応答解析法の開発を目指す。
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