研究課題/領域番号 |
18360272
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
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研究分担者 |
大宮 喜文 東京理科大学, 理工学研究科, 助教授 (10287469)
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 助手 (80111938)
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283868)
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キーワード | 火災 / 設計火源 / 可燃物 / 燃焼性状 |
研究概要 |
本年度は、建築物の設計火災性状を考えるに際して、3つの項目について検討を行った。まず始めに、建築空間における可燃物の実態を考察し、アンケート調査を行った。建築の火災安全設計に従事するエンジニアを対象として、日常業務における可燃物想定方法とそれに関連して技術的知見が不足していると思う観点を回答してもらった。その結果を集計したところ、地下空間等の密閉性が高い空間での燃焼性状、専用免震層やエレベーターシャフト内のように日常的には人が使わない空間の火災性状想定などが設計上大きな意義があるにもかかわらず、技術的知見が不足していること、ワゴンセール、荷捌き場、床仕上げ材など火災の姿そのものがよく分かっていないものなどがあげられ、空間特性を考慮した燃え広がり火災性状予測の必要性が明らかになった。次に、可燃物単体の燃焼性状予測技術を確立するため、ウレタンマットレスの燃焼実験データを解析し、着火場所からの燃焼領域と燃え尽き部分の拡大速度を考慮することにより、様々な寸法のウレタンマットレスの燃焼性状を予測するモデルを作成した。実験結果との一致は良好である。これを用いて、実在可燃物の燃焼実験における発熱速度を予測したところ、実用的にはほぼ満足できる予測結果を得た。実験関係については、設備の整備を行い、酸素消費法による発熱速度測定システムの整備調整、ロードセルによる重量測定システムなどの校正実験を経てデータ測定の準備を完了した。本測定の実施は平成19年度の早い時期から精力的に行う予定である。
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