研究課題/領域番号 |
18360274
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 俊夫 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80182575)
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研究分担者 |
相良 和伸 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (30109285)
甲谷 寿史 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (20243173)
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キーワード | 自然通風 / タスクアンビエント / 快適性 / CFD解析 / 換気 |
研究概要 |
大空間を有するオフィスにおいて、自然換気を利用した次世代型自然換気・空調システムにおける様々な通風導入システムの有効性の実証と設計手法の確立を目的として、下記の検討を行った。 (1)外気温・風向及び自然換気口の形状が室内気流性状に及ぼす影響に関する検討 CFDの解析空間上に自然換気併用タスクアンビエント空調を有するオフィス空間を再現し、外気温、風向及び自然換気口をパラメータとした条件下で室内気流解析を行った。風速分布、温度分布のみならず、SVE4、局所空気齢などの空気の分布性状を評価する指標を導入して、室内の気流・空気環境を評価した。その結果、外部温度が高いほど室奥まで自然外気が供給されること、オフィス平面の長辺に平行な風向よりも短辺に平行な風向の方が室内の分布状態は均一になることがわかった。また、天井直下吹き出しとペリカウンター吹き出しを比較すると、ペリカウンター吹き出しでは流入した外気がすぐに下降するために窓際の熱環境が悪化し、外気の分配も不均一になるのに対し、天井直下吹き出しでは、外気がより室奥まで到達することがわかった。 (2)自然換気用チムニーを用いた大空間の換気性能の検討 建物屋上に自然換気用のチムニーを設置し、風力換気と重力換気を併用した大空間の自然換気システムを提案し、その換気効果を検討するため風洞実験を行った。大空間窓面での風圧とチムニートップにおける風圧を測定し、その風圧係数をもとにした換気計算を行うことによって、大空間の換気量を算出した。実験パラメータは、チムニーの高さ、風向、チムニートップの遮風版の形状、換気計算パラメータは、外部風速、窓面積、室内在室者数(発熱量)、風向とした。その結果、風向によって風速の影響が大きく現れること、遮風版の形状とチムニー高さによる差異は比較的小さいことなどが明らかになり、チムニーを用いた自然換気システムの有効性を確認した。
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