今年度は、主に脱臭システムの検討と脱臭機の使いやすさについての検討を行った。具体的な検討内容と結果は以下の通りである。 おむつ交換時用脱臭機を作成し、排泄物臭の主な臭気物質である硫化水素を用いて実験を行い、臭気の拡散を最小限に抑える為の効果的な排気風量と臭気の捕集箇所を検討した。その結果、次の知見が得られた。 (1)ワンパス除去率が90%以上となる風量を把握した。 (2)ベッド脇からの捕集でも発生源付近での捕集と同様に拡散を防止できる風量を把握した。 おむつ交換時用脱臭機の導入に向けて介護・看護現場でおむつ交換に携わる職員と施設管理者の意識調査を実施した。結果は以下に示す通りである。 (1)いずれの職員においても、環境要素の中でにおいが重要と回答して割合が高く、おむつ交換時に発生する排泄物臭が最も問題である事が明らかになった。 (2)おむつ交換時の臭気対策の必要性について、介護士・看護師と施設管理者の間には意識の差があった。においの問題を管理者に理解させる事が脱臭機の導入に重要である事が示唆された。 (3)使用者である介護士・看護師の要望、購入者である管理者の要望を取り入れた、おむつ交換時用脱臭機の要件を抽出した。
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