研究課題/領域番号 |
18360284
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 幸夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20159081)
|
研究分担者 |
北沢 猛 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (00292889)
中井 検裕 東京工業大学, 工学部, 教授 (80207711)
山崎 正史 立命館大学, 理工学部, 教授 (40109038)
三島 伸雄 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60281200)
河野 俊行 九州大学, 法学部, 教授 (80186626)
|
キーワード | 景観法 / 景観計画 / 眺望景観 / 景観アセスメント / 形態意匠規制 / 都市空間 |
研究概要 |
(1)文化的景観を景観計画の中に位置づける方法に関する研究:文化財保護法にいう「文化的景観」の概念を再検討し、そのモデル的なケーススタディの状況を明らかにした。同時に近江八幡の景観計画とそこでの文化的景観の位置づけ、奥州平泉の文化的景観と世界遺産登録申請の状況をケーススタディし、文化的景観を景観計画に位置づける際の手法、行なうべき調査のあり方、景観計画への記載のあり方等を明らかにした。 (2)眺望景観を景観計画の中に位置づける方法に関する研究:全国の県庁所在地をモデルケースにして、眺望景観の実体を調査し、これを有効に景観計画の中で位置づける方法論について考察した。特に、高層ビルやマンションの林立が問題となっている東京を採り上げ、具体的な規制内容について、検討した。 (3)景観計画の中に点的な資源を位置づける方法に関する研究:景観重要建造物・樹木の具体的な取り扱い方及び登録文化財との関連などを考察した。また、こうした点的な資源とその周辺の関係について、諸外国の例を参考に考察した。特に、周辺規制の導入可能性について、検討した。 (4)景観アセスメントの確立に関する研究:従来の環境アセスメントは環境省の所轄であり、そのなかにある景観に関するアセスメントは自然保護に限定されていた。これと景観法による景観アセスメントとの関係を新しく構築する論理を確立するための予備的調査を終えた。 (5)既成市街地内部の景観資源を詳細に明らかにする手法に関する研究:規制市街地の空間構成を、歴史的な経緯や景観的な特色をもとに微細に検討し、その成果を景観計画に生かす方法論を開発するための試行を開始した。とりわけ、古典的名著『日本の都市空間』(1968年)以来ほとんど手が付けられていない、日本の都市空間の分析手法を景観計画の枠組みの中で見直すべく、『季刊まちづくり』に調査成果を「都市空間の構想力」として連載を開始した。
|